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気道戦士 喉頭癌ダム

タバコの吸いすぎから喉頭癌ステージ4でシャント法手術を受けました。声帯摘出、放射線治療、抗癌剤・・・。これから手術を受ける人、治療の後がつらい人。私の体験や工夫が、何かのお役に立てばうれしく思います。

§ しゃべらないと、「車椅子」予備軍だぞ。

別に脅してるつもりはありません。

これが実に大変なんです。
外に出るのが億劫になりますから、自然と外出しなくなる。
家にいて、家族と顔をあわせている分には
しゃべらなくても、ご飯は出てくる。新聞はいつもの場所に置いてある。
洗濯物は畳んであるし、どうかすれば着替えも手伝ってくれる。
テレビはリモコンで動くし、お茶くらいは目線で注いでくれる・・・。

つまり、毎日一緒にいる家族と一緒なら
ほとんど「しゃべらなくても」以心伝心で何とかなる。
たまにコミュニケーションの必要があれば、これも筆談で何とかなる・・・。

外出しないから、ファッションや着る物にも気を使わなくなり
運動不足で、立ち居振る舞いも段々と億劫になってくる・・・。
※手術後、暫くは寝てたわけだから体力も落ちてるし
それでなくてもリハビリは辛い・・・。

辛いけど、やらなくちゃホントに体が固まって動かなくなる・・・。
行き着く先は車椅子生活。

そんな大袈裟な、と思うけど、ホントなんです。
僕と同期で入院してた患者さんが、実際にそうなっちゃったんです。

その方は、70歳前後で、悠々自適の年金生活。
奥様はよく気の付く、しゃんとした方で、万事ぬかりのないよく出来た奥様。
僕の方が一月ほど早く入院していたので、
電気式発声器の使い方を教えてあげようとしましたが
初めから諦めているのか、年下の人に教わるのが嫌なのか
ちっとも練習しようとなさらない・・・。

その後、外来で偶然お会いしましたが、なんと車椅子。
案の定、退院後3ヶ月も経つのに全くしゃべれなくて学ぼうともしていない。
奥様曰く「筆談でも苦労してるので、教えてやってくださいな・・・」
でも、ご本人は手を振るばかりで、
差し出した電気式発声器を受け取ろうともしない・・・。

それどころか、2ヶ月以上も同じフロアで毎日挨拶していた
僕の顔さえ忘れていらっしゃる。これはちょっとショック!

僕はといえば、仕事で現役復帰はもちろん
シャントを使って、しゃべったり笑ったり、自由に世間話をしている。

・・・電気でも、笛でも、シャントでも、何でもいいから
最初は辛くても、一旦声を出してしゃべれさえすれば、
後は、毎日しゃべってる事そのものが練習ですから
自然と声は大きく、発音は明瞭になり、「しゃべり」は上達してゆく。

これから手術をする皆さん、そして手術後まだ声の出ていない皆さん。
どんな方法でもいいから、まず声を出しみましょう。

食道発声の教官の方の中には
他のしゃべり方を先に憶えると、つい安易な方法に頼って
食道発声の訓練がおろそかになる・・・と、
他の発声法の練習を禁じる方もいらっしゃいますが
その気があれば、人はちゃんと学ぶもの。

とりあえずコミュニケーションの手段を取り戻すこと。
人としゃべる楽しさを取り戻し、その大切さを実感すること。
そちらも方が遙かに重要だと、私は思います。

2008/10/30/Thu 20:57:42  身体障害者/CM:0/TB:0/
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