気道戦士 喉頭癌ダム

タバコの吸いすぎから喉頭癌ステージ4でシャント法手術を受けました。声帯摘出、放射線治療、抗癌剤・・・。これから手術を受ける人、治療の後がつらい人。私の体験や工夫が、何かのお役に立てばうれしく思います。

§ スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--/--/--/-- --:--:--  スポンサー広告/CM(-)/TB(-)/

§ シャント式発声の光と影

▼プロヴォックス
プロヴォックス

先日の、20万アクセス記事に対するコメントで
同病の友人「あたごウクレレ」さん <http://blog.goo.ne.jp/atago160119>から
ちょっと気になるコメントをいただきました。

プロボックス・・最近首都圏でも進めるドクターが多いようですが
挿入された方の会話聞くと皆さん躊躇されてるようです。
ELを併用されてるのでなんだこりゃって感じですね。
未だ技術力の優れたドクターが少ないのが現実なんでしょうね。


そのまま、コメントにお答えしようかとも思いましたが
長くなるし、案外と重要な事でもあるので
シャント法や、その他のしゃべり方について、記事にしてみようと思いました。

★続きは後半。↓ ランキングにご協力下さい。
      ありがとうございました。
       続きを読まれる方は ↓ から
 
●現在は、EL(電気式発声器)でしゃべっていますが…

まずは、僕の発声法の経緯について、ご説明いたします。
2007年12月、喉頭がんの手術と同時に、
一切の器具を使わない「天津式」と呼ばれるシャント法手術を受け
手術した先生も、「成功例」として学会に出す…というほど
ちゃんとした声が出て、快適に暮らしていましたが

「シャント法は、おしゃべりの味方。」
http://gandam4d.blog8.fc2.com/blog-entry-10.html

数年後(2011年)シャントの出口が広がって、「液漏れ」がひどくなり
あれこれ考えた挙句、液漏れしない弁付きのシャント器具
プロヴォックス(ボイスプロテーゼ)を入れる決心を固めました。

「ボイスプロテーゼを入れようと思います。」
http://gandam4d.blog8.fc2.com/blog-entry-645.html

残念ながら、僕の病院では手術できる医師がおらず
他の病院を紹介していただき、更に他の病院で手術したのですが
この手術が、(多分、医師の不注意、準備不足)見事失敗

最初に、「ブロムシンガー」2度目に「プロヴォックス」を入れたのですが
いずれも巧く行かず、その経過は「恐怖の初検診2」に掲載

http://gandam4d.blog8.fc2.com/blog-entry-701.html

結局は、ボイスプロテーゼをあきらめたのですが
以前、放射線治療を受けたせいか?術後の傷が塞がらず
約1年間の入院、8回の手術を経て、ようやく閉鎖に成功。

その結果、発声手段はEL(電気式)に限られ
食道も細くなったため、郷土の嚥下障害に悩まされる結果となった訳ですね。
その後、間に入った先生から、僕が止めるべきだった…


あの時、シャントの出口を小さくして置くだけにすべきだった…と
謝罪されましたが、、僕もその通りだと思います。
結果論ながら、余計な事を考えた僕の自己責任だと思います(苦笑)

ご来訪の証しに ↓ このあたりでクリック。
     

▼シャント法にも、3種類あります。

シャント法といえば、=プロヴォックスのように思われる方も多いと思いますが
実はシャント法には、器具を必要としない「天津式シャント」
ボイスプロテーゼという器具を装着する「プロヴォックス」「ブロムジンガー」
という3種類の方式があります。

▼天津式シャント法(写真が無いので、プロヴォックスの写真で説明します)
プロヴォックスUP

まず、シャント式というのは、気切口の付近で、食道と気管にバイパスを設け
気切口を指でふさぐ事で、気管から食道に空気を送り
食道に設けた、声帯代わりの「仮声門」を振動させて声を出す方式ですが

「天津式」では、ボイスプロテーゼのような器具は一切使わず
気管から食道に、細い穴をあけただけ…という方式です。
とはいえ、様々な工夫が施されており、たとえば…


僕の気切口は、通常と異なり「おにぎり型」の三角形をしていますが
天津式シャント法の空気の入り口は、この三角形のすぐ内側にあり
仮に食べ物が逆流して、ここから出て来ても
やや下を向いてティッシュなどで受ければ外に落ちて
気管から肺に落ちることはない…という配慮がなされています。

メリットとしては、器具を使わない為
一切のメンテナンスや器具交換が不要で、当然ながらランニングコストも無料。
地震や原発事故などの災害時にも使え、器具による不具合もありません。


また、器具という障害物がないため、声を出すのもスムーズで
一番軽い力で、自然な声が出せるのも、使った結果わかったメリットですね。

他方、デメリットとしては、まず、声帯の摘出手術と同時でないと出来ない事。
(ボイスプロテーゼは、後から装着が可能です)
ボイスプロテーゼにある「逆流防止弁」が付いていない為
食べ物や飲み物が、若干、気管側の入り口に逆流して漏れてくる事。


だから、飲食の際、ティッシュやナプキンを気切口に当てて
嚥下の度に要領よく、漏れ出てくる食べ物を受けてやらなければならない事で
しかも、その穴は、次第に大きくなって、漏れる量が多くなってくる

「(まぁ、それが、プロテーゼを入れようと思った原因だった訳ですが・苦笑)
ボイスプロテーゼを入れようと思います。」

http://gandam4d.blog8.fc2.com/blog-entry-645.html

要は、面倒なばかりか、食事する姿が、やや見苦しく
レストランなどの食事を躊躇する…などという事だった訳ですが
逆流防止弁のついたボイスプロテーゼなら、それが可能だと考えた訳ですね(苦笑)

▼ブロムシンガー 
新型プロテーゼUP

最初に入れた、ボイスプロテーゼです。
プロヴォックスに較べて器具が小さく、欧米人に比べて小柄な日本人の
細めの食道や気管に向いています。

構造がシンプルな為、メンテが容易で、トラブルも少ないのですが
食道側に食べ物のカスが溜まって、逆流防止弁が動きにくくなる欠点もあり
また、プロヴォックスのような豊富なオプションもありません。


また、製造元の事情か、輸入元の事情かは存じませんが
入手困難?…という事で、日本の医療業界としては
プロヴォックスへの移行が、進められている…というのが現状です。

▼プロヴォックス 
プロヴォックスUP

現在もっとも主流のシャント法、ボイスプロテーゼですが
何しろ、オランダ製のアングロサクソンサイズで、日本人には少々大きすぎる
というのが、使ってみた第一印象です。

ブロムシンガーからの改良点としては、食道側の出口に半月型のドームが付き
食べ物のカスが逆流防止弁に付きにくくなった…という点がありますが
弁の開閉は、思ったより重く、しゃべるには3方式で最も息の力が必要です。


「プロボックスの注意点(質問コーナーです)」
http://gandam4d.blog8.fc2.com/blog-entry-262.html

メリットとしては、他にない多才なオプションがあり
喉にシールを張って取り付ける、ハンズフリーユニットや
防塵・加湿機能のついた人工鼻、お風呂にも入れる呼吸ユニットなどがあり


これも、まだ使っていない人には、大変に魅力的ではあるのですが
これらも空気の力で作動させるため、使いこなすにはそれなりの「肺の力」
が必要な事などは、誰も書いていないので、ちょっと注意が必要です。

実際に使ってみた実感としては
仮に手術が成功していたとしても、これなら「天津式」が一番良かった…
こんな、不自由なモノ、ちょっとなぁ…という感じで


これが、あたごウクレレさんの言う
EL併用って、どういう事なのかなぁ…という答えだと思います。

以上、3つの方式をすべて試してみた僕の実感ですが
残念ながら、天津式は、高度な技術が必要な為、
現在ではその手術が可能な医師はほとんどおらず、現実にはほぼ不可能。


ブロムシンガーも在庫が少なく、実際問題としては
プロヴォックス以外に選択肢が無いのが現状…な訳ですが
僕のような、不幸なトラブルはまた別の話として
プロヴォックス=万能・理想の発声法ではない…事はご理解いただきたいと考えます。

ご来訪の証しに ↓ このあたりでクリック。
     

さて、ここからはついでの付録ですが、
これから手術…という方や、喉頭がん・基礎知識のない方のための入門編。
これまでに書いた、過去記事から、しゃべり方についての記事抜粋です。

基礎知識1:「手術後のしゃべり方ABC。」
http://gandam4d.blog8.fc2.com/blog-entry-9.html

基礎知識2:「人は声帯でしゃべっているわけではない。」
http://gandam4d.blog8.fc2.com/blog-entry-18.html

ラリンクスの使用法
ラリンクス正面

EL(電気式発声器)の使い方:「ラリンクス・アゲイン2」
http://gandam4d.blog8.fc2.com/blog-entry-30.html

食事中は使えませんが「タピアの笛」…歌もは歌えます
http://gandam4d.blog8.fc2.com/blog-entry-95.html

発声法のあれこれについては「発声法INDEX」もご参考に。
http://gandam4d.blog8.fc2.com/

食道発声については、ぼくより、銀鈴会、阪喉会などにお問い合わせください。

本日も、ご愛読ありがとうございました。

よろしければ、↓ ランキングにご協力下さい。
     
     ありがとうございました。

ふ~い、書いてみると結構大変ですね(苦笑)
よろしければコメントをお寄せください。※コメント欄は、四角い枠のすぐ下
 ちょっと見えにくいけど、赤い小さな文字でCMと表示してあります


出来れば ↓ 拍手もね!
スポンサーサイト
2015/01/19/Mon 19:19:19  喉頭がん/CM:4/TB:0/
new 鯛の粕漬け・風呂吹き大根 / MAIN / やっと終わった1..17報道… old

COMMENT

ざあーっと読ませていただきました。  from - あたごウクレレ
癌ダムさま

ざあーっと読みました。色んな方式があり、なかなか難しいですね。

資料をワードにコピペさせていただいたのでゆっくり読ませていただきます。

詳細にご存じなのには敬服です。
2015.01.20-18:01/あたごウクレレ/URL/EDIT/
Re: ざあーっと読ませていただきました。  from - 癌ダム4G
あたごウクレレ さま:

こちらも、ザッとした概要ですが
一応は、なにがどう違うのか?…は、ご理解いただけると思います。

> 詳細にご存じなのには敬服です。

…そりゃ、短期間とはいえ、実際に使ってましたからね~。
すべてのシャントを試した事のある人なんて
めったにいないと思いますよ(苦笑)


天津式は、液漏れする
プロテーゼは、弁が詰まるし、3~4ヶ月で交換が必要
ブロムジンガーは、性能的にやや劣るが、小さくて動きが良い
プロヴォックスは、大きくて不細工だが、オプションなどが豊富
・・とはいえ、ハンズフリーは、相当の力が要る…

などなど、まだまだ不完全さが目立つ商品のような気がします。
2015.01.20-20:37/癌ダム4G/URL/EDIT/
  from - ちょび 
 この前もシャントのいきさつを読ませていただきましたが、再度解説して頂いたので100%頭の中に入ったような思いです。 昨年は中四国の会議の中でシャントを推し進める話が出ていたとか・・・ でも私たちの会の中では、アフターケアの問題などあり今更手術をしたくないと言う気持ちがつよいですね。

 α900は年数を経ても見劣りがする事の無いカメラじゃないですか・・・ 確かお仕事もそういう関連だったと思っていましたが。 私なんかブログ用の写真が主体なのですが、機械ものが好きなこともあり無い物ねだりに新しいものが欲しくなってしまいます。 レンズは標準の18~55mm 60mm(マクロ) 14mmを買ってしまったけど なかなか使いこなせなくて!
2016.02.05-22:27/ちょび /URL/EDIT/
Re: ちょび さま:  from - 癌ダム4G
>  この前もシャントのいきさつを読ませていただきましたが、再度解説して頂いたので100%頭の中に入ったような思いです。 でも私たちの会の中では、アフターケアの問題などあり今更手術をしたくないと言う気持ちがつよいですね。

さらに書き加えると、もしあなたが放射線治療を受けているなら、再手術は絶対やってはいけません。
細胞が不活性なため、開けた穴が塞がらず、僕のように1年間入院・・・なんて事になる可能性があります。

>  年数を経ても見劣りがする事の無いカメラ・・・ 機械ものが好きなこともあり無い物ねだりに新しいものが欲しくなってしまいます。

あはは、カメラ好きの宿命ですよね。フィルム式の一眼レフも、レンズは共用ですからまだ現役で使えます(笑)
α55だと、ツァイスの単焦点レンズも、シグマのズームも大差ない写りですが
900は、ファインダーを覗いただけで違いが判ります。
全身電子機器の最新型もいいけど、やっぱり半分メカニカルな部分のあるカメラの方が使いやすいモノですね。

>  レンズは標準の18~55mm 60mm(マクロ) 14mmを買ってしまったけど なかなか使いこなせなくて!

60mmマクロはポートレートレンズに使うといい感じですよね。
14mmは、三脚がいるけど、パースペクティブを活かしたカッコイイ風景写真が撮れそうです。

入院中、暇だったんで、皆既日食とか、金星通過とか、随分いろんな写真を撮りました(笑)
最近は、料理ばかり撮っていますが、僕も何か撮らなくっちゃ・・・ですね。
2016.02.06-03:20/癌ダム4G/URL/EDIT/

COMMENT POST

/
/
/
/



 
 内緒です♪

TRACK BACK

  この記事のURL:
   http://gandam4d.blog8.fc2.com/tb.php/1524-0058dc72


MAIN
copyright © 2006 気道戦士 喉頭癌ダム. All Rights Reserved.
Template by TAE-3rd☆テンプレート工房
  
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。