§ 声帯摘出後の食事と、放射線治療後の食事
風邪をひいて、喉が腫れたのか、食事が喉を通りにくくなりました。 (ご心配お掛けいたしましたが、もう大丈夫です) 久しぶりに、退院直後のことを思い出しましたので 今回は、僕と同じように「喉頭癌」で声帯摘出された方のための 退院マニュアルニュースです。 <声帯摘出者のための食事の注意点> ・食べ物には特に制限はありません。お好きなものを、バランスよく食べてください。 ・食道に仮声門を設けているため、飲み込みにくく、食べ物が喉に詰まる可能性もあります。 ゆっくりよく噛んで、少量づつ飲み込むようにしてください。 ※声帯を摘出すると、仮声門を設けているためか、食道に細い部分があって よく噛んで食べないと、その部分を通らないので、 普通の人の倍くらいよく噛んで食べてください。 ※仮声門は、食道を外側から糸で縛って作るので、食道はその部分が延びません。 つまり「鉛筆より太いもの」は基本的に喉を通らないと思ってください。 ●食べやすいもの: 柔らかく、噛んでいるとドロドロになって、喉の細い部分を通りやすいもの。 ・ご飯は、柔らかく炊くか、お粥などに。 またお茶漬けならぬお湯漬けにするのも一法です。 ※お茶漬けはおかずを選びますが、お湯漬けはおかずを選びません。 ・食べ物を飲み込みにくい場合は、オクラを刻んだものや、 モロヘイヤをフードプロセッサーにかけたものなど、 粘り気のある食材を一緒に食べると、飲み込みやすくなります。 ・水溶き片栗粉などで「とろみ」をつけたものは、噛まなくても良い汁などを除いては 噛んでいる途中で「とろみ」が流れてしまい 余り役に立ちません。 ・粘りがあって食べやすい食品には、オクラ、めかぶ、山芋、サトイモ、納豆 モロヘイヤ、なめこ、エノキ、生椎茸、イチジク、バナナ、桃、などがあります。 ※僕は、オクラをサッと湯掻いて冷凍し、必要な本数をスライスして使っています。 使いやすく、和洋中と相手を選ばないので重宝します。お勧めです。 ・また寿司など、酸味のあるものはさっぱりして食べやすいものです。 ●食べにくいもの: 寿司で言えば、烏賊やタコ。焼肉ではミノなど、普通なら噛み切らずに 丸呑みしてしまうようなモノ・・・喉につかえます。(隠し包丁を十字に入れて) 大トロや上カルビ、松坂牛など、ちょっと贅沢してください。 ・こんにゃく、カマボコなど、いつまで噛んでも唾液に溶けないもの。 ・ハンバーグやつくね、メンチカツなども、質の悪いスジ肉などが口に残ります。 (好きな食べ物だっただけに、ショックでした!) ・数の子、トビ子、うそキャビア(ランプフィッシュ)などプチプチですり潰しにくいもの。 本物のキャビア、イクラなどは、この類ではありません(笑)。 ・水菜、小松菜、大根葉、白菜など、繊維の硬い葉もの野菜。 (3cm?2mmくらいまで、素材に応じて繊維を刻んでください) ・アジの干物、鯛やホッケの塩焼き、サバの煮付けなど。 噛んでるとパサパサになってしまいます。 それでも食べたいので、オクラ一切れと一緒に食べるなど、工夫してください。 ・パサパサしたカステラ、クリームの少ないロールケーキ 漉し餡の饅頭、マロンクリームなど、噛んでると粉になるもの。 ⇒普通では食べにくいものも、粘りのあるもの たとえば、オクラを少量一緒に食べると、粘り・とろみのおかげで 喉の細い部分をスムーズに通ります。 ・声帯摘出手術を受けると、機関と口がつながっていないため 熱いものをフーフー吹いたり、麺類やスープをすすることが出来ません。 少し冷ましてパスタのようにスプーンや蓮華を添えて食べるなど 火傷に注意しながら食べるようにしてください。 <放射線治療を受けた人の食事> ・放射線治療などを受けた方は、「唾液が出ない」「味覚が狂う」などの障害が起こり モノが食べにくく、飲み込みにくくなりますので、水分を補給しながら食事をしてください。 さて、唾液が出ないとどうなるかというと すべてのものがパサパサになって、食べられたものではありません。 唾液というのは一日2.4リッターも出るものらしく 食事時には毎回コップ3唐配分の唾液が出ている計算。 その分を外から補うなど、あれこれ食べる工夫が必要なわけです。 たとえば、一口ごとに水分を少し口に含む。 ご飯やおかずを、汁気の多い状態に調理する。 そして、喉のすべりをよくするように、若干の粘りを付けるなどが必要。 この「粘り」が案外と重要で、 オクラや、めかぶ、山の芋、納豆などの「粘り」はいいのですが 片栗粉やゼラチンの「とろみ」はダメ。 放射線治療後は一般に、刺激物に弱く 唐辛子、わさび、山椒、胡椒、その混合物カレーなどに激しく反応します。 僕も当初は、ポテトサラダに入っている胡椒すら食べれませんでした。 まぁ、これは一年ぐらいすれば徐々に戻り始めます。 塩辛さ、甘さ、出汁の効き具合などはどうも個人差が大きく 一概にどうなるとも言えないようです。 そのうち慣れて、また元に戻り始めますから、気長に行きましょう。 抗がん剤も、食の嗜好が変わり、物が食べれなくなります。 一般にさっぱりしたものが、好まれるようです。 <参考図書>放射線治療と食事 一般の書店では入手しにくいので、アマゾンなどネット販売の利用をお勧めします。 ●声帯摘出して、放射線治療を受けて、抗がん剤も飲んでいて その上シャントから気管に若干たべものが漏れる方 ・・・つまり僕のことですが、まぁそれなりに美味しく食事しています。 オクラのように粘り気のある食材と一緒に食べることで シャントの漏れも、その粘りが上手く防いでくれるようで 何を食べているかは、過去ログをご覧ください。 てっちりもいいけど、かに数寄も美味。 鴨鍋、鹿鍋、ハリハリ(鯨)鍋にきりたんぽ。 お茶づけなら、鯛茶もいいけど、鰻のひつまぶしを濃い目の出汁で。 いや、鶏腿で作る「中華粥」もいいモンですよ(笑)。 ブログランキングに参加しております。 病気見舞いのおついでに、今回もぽちっと押して行ってください。 ![]() スポンサーサイト
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