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気道戦士 喉頭癌ダム

タバコの吸いすぎから喉頭癌ステージ4でシャント法手術を受けました。声帯摘出、放射線治療、抗癌剤・・・。これから手術を受ける人、治療の後がつらい人。私の体験や工夫が、何かのお役に立てばうれしく思います。

§ 味覚と嗅覚を失う、という意味。

「喉頭癌」のブログに、料理の話ばかり書いてる場合でもない!のですが・・・

放射線治療により、一旦は味覚のすべてを失った人間が、
いかにしてそれを受け入れ、克服し、そして回復して行くか?
という視点でごらんいただければ幸いです。

考えてみれば、喉頭癌の放射線治療ほど残酷な治療は有りません。
手足の機能をなくす、精神を病む、内臓を傷める・・・それぞれに辛く
また「人として苦しい」事に違いはないと思いますが
喉頭癌の場合は、
手術で嗅覚をなくし、放射線で味覚をなくします。


知能や精神は人間固有の能力です。
手足は動物の、直立歩行は人類と類人猿に固有の能力です。
それを失うのは、もちろんとんでもなく辛い事ではありますが
辛さの質が比較的他人にも想像しやすい障害です。

他方、味覚と嗅覚の喪失に、ひとは余り関心を示しません。
しかしですね・・・味覚と嗅覚を奪われる事は、
生命の根源的な喜びを奪われる事なのです


嗅覚と味覚は、ミトコンドリアにもゾウリムシにも備わった
生命体そのもの根源的な能力です。

生命とは「食べて」、「子孫を残す」存在のことです。

従ってこの二つが「至福の喜び」として
生命にプログラムされているのは至極当然な事なのですが・・・。
多少戻り始めたとは言え、
僕にはまだ人の半分以下程度しかその能力がないのです。

元々料理も食べ歩きも大好きで、舌にも自身がありました。
医師からは「味覚は半年?一年で回復する」とは聞かされていましたが
詳しく聞けば、プロ野球の選手が、草野球を楽しむ程度
日常生活に支障のない程度には回復する・・・という意味で
完全に元に戻るわけではない事も知りました。

だからって、もう味覚も嗅覚も失った後なのです!
まぁ、命もあって、声も出せて、仕事もできるんだから、ありがたいことです。
ならば、味覚も嗅覚も回復してやろうじゃないか!

幸い、普通の人よりも「舌の記憶」も「料理の経験値」も
うんとたくさんある。
それを思い出し、レシピを明記する事で、第三者に腕前の評価を受け
今現在の「舌」と「腕」で、世間に通用する「味」が出せるかどうか?
そうした事にもチャレンジして生きたいのですね
(生きたいは誤植じゃないよ・笑)

僕には嗅覚がほぼ有りませんから
口に含んだ空気を鼻に逆流させて、変則的に「におい」を検出しています。
僕には味覚が人の35%程度しか有りませんから
知識と記憶で補って、味を感じるように努力しています。

味見の能力は信頼できませんから、
まったく新しい味には当面挑戦できませんが
食べた事のある食材の組み合わせなら、匙加減・塩梅は「腕」が憶えています。

病気ブログの事ですから、「病人向けの料理」を期待しないでください。
(もちろん、それも書きます、ちゃんと書きます。)
でも僕は、普通の人が、「美味しい!」と、
眼を輝かすような料理が作れるように回復したいのです。

僕の料理の話やレシピのブログには
そうした意味があることも、少しご理解いただけるとうれしく思います。

出来れば、読んだり、作ってみたりして
ご感想をいただけるとうれしく思います。


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生きる勇気が湧きますので、今回もぽちっと押して行ってくださいね。



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2009/02/02/Mon 21:00:00  病気/CM:2/TB:0/
new 桃と生ハムのパスタ / MAIN / キャビアと自家製オイルサーディンと。 old

COMMENT

  from - akaitorikotori
私のつたないブログも見ていただきお返事ありがとうございました。主人は昨日主治医とのランデブーがあり私も一緒に会ってきました。抗がん剤のための入院が終わった後に撮ったスキャナーの結果、癌は100%消えているとのことで胸をなどおろしたところです。しかし、放射線治療は6週間30回にわたりしましょうときっちり言われて帰ってきました。
フランスでは顔の型をとって頭を固定して放射線を当てる場所を確定するようです。昨日その型どりと新たに放射線を当てる場所のためのスキャナーを撮りました。
喉がやけど状態になることや唾液が出なくなることは知っていましたが、味覚がそんなに戻らないのですか?
主人は大阪人なので食べることが異常に好きなのです。食べることが生きがいのような人でかわいそうだな・・・と思っています。抗がん剤の入院の前にもこれで美味しいものが食べられるのは終わりかもしれないと、散々食べたいものえを並べてあげたのですが、入院中は吐き気もなくいたって元気で食欲もあり体重減少もほとんどありませんでした。放射線治療の方が大変そうですね。いろいろ食事のことも書いて下さっているので何度も読み返して参考にさせていただきます。今後ともどうぞよろしくお願いします。
2010.05.12-19:02/akaitorikotori/URL/EDIT/
Re: akaitorikotori さま:  from - 癌ダム4G
> 私のつたないブログも見ていただきお返事ありがとうございました。

いえいえ、とんでもない。
綺麗な風景に、美味しそうな食材、ゆったりとした時間。
羨ましい限りですが、こんな環境でも癌になるんですね(苦笑)いや失礼。
患者同士…という事で、お許しください。

放射線治療は6週間30回

⇒僕は手術後、抗がん剤と併用、25回でした。最初はなんともありませんが
20回を越えるくらいから辛くなってきます。
照射後、アイスノンなどで患部を冷やす。
アイスクリームなどを食べて食道を内側から冷やす、など
こまめに行なって、少しでもやけどを軽くする配慮が有効です。
 食道のびらんが激しくなってくると、食事は無理になりますから
鼻から胃にチューブを通して、流動食になります。
(コレは、やらない方が味覚が残りますが、状況を見てからですね)
僕などは、さらに麻薬で痛みを散らしていました。
(手術で声帯を摘出して、その場所に放射線を当てていますから…笑)


> フランスでは顔の型をとって頭を固定して放射線を当てる場所を確定するようです。

⇒日本でもそうですよ(笑)
放射線は「リニアック」かな?
放射線治療は余り気持ちの良いものではありませんが
照射のタイミングにあわせて、「どうだこの野郎、まいったか!死にさらせ!」
などなど、癌細胞を罵倒しながらやると、気分がよくなります。

> 味覚がそんなに戻らないのですか?
> 主人は大阪人なので食べることが異常に好きなのです。

⇒残念ながら、70~80%復活で我慢してください。
僕もバリバリの関西人で、ブログを見ていただければわかるように
食べる事にかけては人後に落ちません。
最初の頃は、本当に、ずいぶんと情けなかったもので
この記事を書いた頃などは、そのピークだったように思います。

それでも、味覚は次第に戻り、また新しい舌の感覚にも慣れ
ブログの通り、それなりに「楽しく充実した」食生活を楽しんでいます。

それにね、正直<僕には70%>でも、
そこら辺のグルメ気取りのオッサンの100%よりは上で
相変わらずのパーティーシェフ。
皆さんに「美味しい!」とお褒め頂いております。

思い返せば、食事療法の「徹底した減塩」も、
素材の味と向き合うのに良かったみたいだし、四足肉の禁止も、
繊細な味覚を取り戻すのに役立ったみたいです。

味覚をなくす…というよりは、赤ちゃんの舌のように
「まっさらな状態にリセットされる」というようなイメージですから、
美味しいものをゼロから舌に教え込んでいかないとイカン訳ですね。
コッテリしたもの、塩辛いものばかり食べていると
野暮天の舌になってしまいますから、
食事療法がてら<出汁を効かせた薄味>で行きましょう!

…と、ご主人も「コレくらいには」戻れると思いますよ。
頑張れ味覚!僕も応援します。

2010.05.12-23:01/癌ダム4G/URL/EDIT/

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